リンカーン日誌

或る量的遺伝学者のテニュア取得までへの道

WCGALP 2014

参加記

先週は4年に一度開催される学会であるWorld Congress on Genetics Applied to Livestock Production (WCGALP) に参加するためカナダはバンクーバーを訪れました。僕たちの分野である動物遺伝系の学会では最大規模を誇ります。第10回目になる今回は参加者が1500名を超えたそうです。動物遺伝系の学会は初参加なので、何ヶ月も前から楽しみにしていました。学会会場はCoal Harbourに位置するWestin Bayshore Conference Centerでした。

参加目的は1)ネットワーキング、2)大学院生の面接、3)口頭発表の共著者としてという順でしょうか。1)に関しては自分が挨拶したかった人は3名を除いて達成できたし、2)は僕の研究室に参加したいと最近連絡してくれた学生に直接会って話すことができました。今までは論文上のみで知っている人やメールを通じてのみの交流だった人と、実際に会話の場を設けることが出来たので来た甲斐がありました。

写真はホテルから撮影したバンクーバーWest EndCoal Harbourです。

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Automatic Visa Revalidation

ちなみに僕が現状保持しているビザは学生ビザ (F1) + Optional Practical Training (OPT) です。しかし自分の学生ビザは失効しているので、通常はビザを新たに申請しないとアメリカに再入国は出来ません。そこで今回利用したのが、Automatic Visa Revalidationという制度です。これは学生ビザが失効している現状でも、カナダやメキシコといった隣接した国のみに入国して30日以内に戻ってくるのであれば、アメリカ再入国が保証されます。つまり今回のWCGALPがカナダ・メキシコ以外の国で開催されていたら僕は参加できませんでした。自分のようにOPT中の人はいつものI-20に加えて、以下の書類を用意することが推奨されています。

  • Employment Authorization Document (EAD)
  • Offer letter from your employer

さらに僕の場合は大学のFaculty IDと、Automatic Visa Revalidationについて述べられているアメリカ政府の公式ページをハードコピーとして持参しました。後者は入国審査官の中にはこのシステムを知らない人もいるらしいという情報を聞いたからです。バンクーバー(カナダ全般)からアメリカへの航空便は国内線の扱いとなるようで、セキュリティチェック後にカナダ側でアメリカの入国審査がありました。どうやらカナダでは国際線とアメリカ行きは別々の手順を踏むようです。入国審査の待ち時間は殆ど無く、拍子抜けするくらいに審査自体も数分の簡単な形式でした。審査官は僕のパスポートとI-20に軽く目を通したくらいでしょうか。再入国できなかったら自分の勤務先大学はどのような応対をするのであろうかと心配していましたが、すべて杞憂に終わり安堵しました。ただアメリカからカナダへは国際線の扱いで、バンクーバー側で入国審査がありました。